平素はザ・ジョージアンクラブをご愛顧頂き、
誠にありがとうございます。

 昨年は皆様のお力添えのもと、お蔭様で、ザ・ジョージアンクラブはミシュランレッドガイド2008にて一ツ星を獲得致しました。これも一重に、弊店をご愛顧下さったお客様のお陰と心より感謝しております。  

 しかしながら、誠に突然のことではございますが、ザ・ジョージアンクラブは来る3月7日をもって閉店することとなりました。閉店後は、縁あって株式会社ひらまつが経営・運営するオーベルジュ・ド・リル トーキョーをオープンする事となりました。私は地所・建物のオーナーとして、新たな至高のレストランと関わっていきたく思っております。

  フランスで40年の長きに亘り、三ツ星を維持し続けているレストラン、オーベルジュ・ド・リル(シェフ:マルク・エーベルラン(MARC HAEBERLIN))をザ・ジョージアンクラブに招き、5月より弊店は、「オーベルジュ・ド・リル トーキョー」として生まれ変わります。

 フランスで40年間三ツ星を維持し続けることがいかに難しいことか、、、、。
実際にレストランを自ら運営してみて身に染みてわかることですが、例えて言うなら100メートルダッシュの速さでマラソンを走りきり、40年それを毎日続けるようなものです。40年前と言えば、私がまだ小学生の頃・・・故郷大阪にある造幣局にある明治4年に建てられた日本最古の西洋建築の一つ「泉布観」を前に「将来、こんな建物を建てたい・・」と夢を抱いた頃です。それから40年後、その夢を実現した私と、オーベルジュ・ド・リルが東京で出会うとは、、、。

 「最高の時空で最高の料理を食す」ためにザ・ジョージアンクラブ建設の構想を練り始めたのが今から20年以上前。設計着手までに5年を費やし、また設計から竣工まで5年を要しました。これだけの年月をかけることは、単にレストラン経営をビジネスとして考えた場合、論外だということはわかっております。が、私は、多くの方々に、「本物」を知って頂きたいという信念で時には息切れしそうになりながらも、今日まで突っ走ってきた気がします。そして、先ごろその信念を理解し、共感してくれる「同志」、株式会社ひらまつの平松社長と出会いました。

 この日本のフランスレストラン史に名を刻めるようなレストランを創りたい!私の建てたザ・ジョージアンクラブで三つ星の料理を食べたい!という私の夢が現実になる日が到来したことを嬉しく思っております。 そして、弊店のお客様にも、このルネサンスを喜んで頂きたいと願っております。また、同時に、私が愛して止まないこの館にフランス三ツ星レストランを招致するため奔走・尽力して下さった株式会社ひらまつの平松社長には感謝を述べたいと思います。

 今後は、この建物の美しさを楽しみつつ、私は前々からの夢であった「カントリージェントルマン」となり、カントリーライフを楽しむ予定です。旅行や晴耕雨読の生活を楽しみながら、ふっと思い立って最高の時空を楽しむ、、、まさに私が思い描いていたライフスタイルがスタートします。
もし、ダイニングでのんびりと食事をしている私を見かけましたら、どうぞ声をおかけください。

 最後に、繰り返しになりますが、今までのご愛顧に心より感謝すると共に、今後とも、新しいレストランをご愛顧下さるよう心よりお願い申し上げます。

ザ・ジョージアンクラブ
吉村 隆郎

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